1,楽観的思想


先に言っておこう、俺は主体性のない人間です。このチームに入ったのもTに誘われたからで、前職に未練とか恨みとかは全くない。円満退社、いや違うな。なんでやめるの?って不思議がられた。でも止められなかったのは悲しかったかな。

一緒にやってみようぜ!ってあの時のTさんはすごく熱かったから、正直、その熱意と空気感に自分のテンションもバカにあがっちゃってっていうのが実際のところかな。

クリエイティブなことはモテそうだからやってみたかった。これも正直な話。でも何がやりたいのかって明確なことはないかな。

Rの記事とか読んでるとかなりまじめに書いてあって、俺どうしようって思っちゃったんだけどね。あんなに不真面目そうな男があんなに真剣に物事考えているっていうのは驚きだった。俺とあいつはあまり距離感近くないからよく知らなかったけれど、男同士だし、こういう文章であいつの人となりを知れるのはいいことだなって思ったりした。

俺はけっこう器用貧乏なところがあるっていうか、人よりも平均以上にいろんなことできるの。でも突出して何かこれがやりたいとかは本当になり。勤めていた会社も大学の就職課で見てなんとなくで決めたし、なんとなくで生きることはそんなに悪いことでもないと思っているし、何よりも燃えたぎる情熱みたいなものはなかったからね。

小説を書いてみたら思いの外すっきりした気持ちになったのはあったかな。その次に漫画を描いてみた。俺としてはあまり良い出来ではなかったんだけど、なぜか小説よりもみんなが褒めてくれた。

「いや、小説の方がいいでしょう」って言ったらYさんがすげえ鋭いことを言った

「Kにとってプライドがあるのは漫画のほうなんじゃない?負けたくないっていうか」。

たしかにそうかもしれない。

絵画コンクールでは子供の頃何回か入賞したことがあった。でも作文コンクールでは入賞したことがなかった。

俺の母親は教師なんだけど、こんなことを言っていた。

子供の頃に褒められたことって大きくて、それを心の支えに職業にする人が多い、と。

CADの扱いには自信がありますって言った就職活動の時、もしかしたら絵は誰にも負けませんって言いたかったのかな。

いや考えすぎか、飛躍しすぎか?やっぱり俺は小説にも才能があるのかも!



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